2026年9月29、30日に東京国際フォーラムで開催する「日経クロステックNEXT 東京 2026」。その一角で実施する「防災・強靱化 特別展」では、建設会社や建設コンサルタント会社などによる体験型の展示物が並ぶ。中でも、道路や河川といった土木構造物の技術開発などを担う研究機関「土木研究所」は、レゴブロックで作ったダムの模型を出展する予定だ。記者が一足先に展示予定の模型を体験した。
模型の高さは約40cm、長さは約2m。カラフルなレゴブロックが目を引く。タンクやポンプを組み込んでおり、実際に水を循環させられる。
この模型で体験できるのは、ダムから放流された水のエネルギーを弱める「減勢工(げんせいこう)」の仕組みだ。高所にあるダムの洪水吐きの放流口から出る水は、勢いが非常に強いため、そのまま下流に流すと護岸を傷つけたり、川底を削ったりする恐れがある。そこで設けるのが、減勢工だ。洪水吐きの下流側に設置する。
減勢工は一般に、「減勢池」や「副ダム」と呼ぶ構造物などで構成する。副ダムによって水の流れを調整し、「跳水」と呼ぶ現象を起こすことで、水の勢いを弱める。跳水とは、流れの速い浅い水流から、流れの遅い深い水流に切り替わる際に、水位が上がり、大きな渦を生じる現象のこと。
模型では、減勢工の一部である副ダムの大きさや位置を変えながら、下流の水流の速さを観察することで減勢効果を確認できる。模型中央には仕切りがあり、それぞれに異なる副ダムを設置して効果を比較することも可能だ。
土木研究所河道保全研究グループ水工チームの水草浩一上席研究員は、「実際に手を動かして試せる模型にしたいと思い、レゴブロックを使うことを思いついた」と言う。
普段、ダムを間近で見る機会はそう多くない。レゴブロックの模型はダムの仕組みを身近に感じ、理解を深めるきっかけになるだろう。なお「防災・強靱化 特別展」では、模型の展示だけでなくステージ上で防災や強靱化に関係する講演も開催する(9月29日)。見て、聞いて、触って楽しめるイベントに、ぜひ足を運んでほしい。
災害復旧にも貢献する「山岳トンネル施工の無人化・自動化技術」
西松建設 技術研究所 所長 山下 雅之 氏2026/9/29(火)13:00~13:20
少子高齢化による人手不足が深刻化する建設現場では、生産性向上と労働環境の改善が急務である。その有力な解決手段として無人化・自動化技術への期待が高まっている。本講演では、山岳トンネル工事における無人化・自動化技術やデジタルツイン技術の開発事例を紹介するとともに、災害復旧への応用可能性についても触れる。
共創で実現する防災・強靭化の未来~業界を超えた連携と先端技術による価値創造~
パシフィックコンサルタンツ 技師長 平川 了治 氏2026/9/29(火)14:00~14:20
人口減少やインフラ老朽化、気候変動に伴う災害の激甚化など、社会インフラを取り巻く課題は複雑化しています。本講演では、当社と企業との共創や業界の枠を超えた連携、先端技術を活用した防災・強靭化の取り組みを紹介するとともに、持続可能で災害に強い社会の実現に向けた展望をお話しします。
ダム建設を通した国土強靭化への取り組み
清水建設 土木技術本部 ダム統括部 担当部長 木村 雅臣 氏2026/9/29(火)15:00~15:20
近年の気候変動の影響で日本各地での洪水被害が多発する傾向にある。治水対策は国土強靭化には欠かせないテーマであり、治水対策の中から大規模プロジェクトかつ技術的難易度も高いダムを取りあげ、建設に携わる立場から様々なダム建設の事例や最新技術への取り組みを紹介する。
人口低減下でインフラの老朽化対策をどう進めるか
東北大学大学院 工学研究科インフラ・マネジメント研究センター特任教授 楠葉 貞治 氏2026/9/29(火)16:00~16:30
人口減少で自治体の財政・人材不足が深刻化するなか、インフラの老朽化対策をどう進めるか。技術的な対応だけでは問題は解決しない。まちづくりとの連携が不可欠だ。東北大学の取り組みをベースに、まちづくりと連携した道路・橋梁等のインフラの新たなマネジメントモデルを提示する。(案内役:畠中 克弘=日経BP)
























