液冷技術の重要性を説くエヌビディアCEOのジェンスン・ファン氏。画像は、2025年3月に開催した開発者会議での一幕(出所:NVIDIAの配信動画をキャプチャー)
液冷技術の重要性を説くエヌビディアCEOのジェンスン・ファン氏。画像は、2025年3月に開催した開発者会議での一幕(出所:NVIDIAの配信動画をキャプチャー)
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 AI(人工知能)データセンターにおいて、消費電力の増大に伴う発熱対策が喫緊の課題となっている。注目されているのが、半導体を水や油で冷やす「液冷」技術だ。データセンター事業者が液冷の導入へ動き始めた。

 背景には、AIデータセンターを構成するサーバーに搭載する米NVIDIA(エヌビディア)のGPU(画像処理半導体)の消費電力が増大していることがある。現行製品で消費電力は1kWを超え、次世代アーキテクチャー「Rubin」を採用したGPUでは2kW、その次である「Rubin Ultra」のGPUでは3kWを超えるとの予測がある。消費電力が増加すると、発熱量も増す。冷やす能力が不足するとサーバーは熱暴走を起こし、正常に動作しなくなる。最悪の場合、樹脂部品などが発火して火災になりかねない。

 このままGPUの消費電力が増大していけば、もはや空冷では対応できず、新たな冷却技術が求められる。その本命が液冷と呼ばれる技術である。実際、サーバー大手は、AIサーバーの液冷への対応を加速させている。冷却用の液体に水を使う水冷はその1つだ。

AIの性能を左右するデータセンターの冷却技術を解説
2026/09/30 (水) 14:00 ~ 15:00

半導体の高性能化と機器の小型化要求に伴い、様々な機器で冷却が大きな課題になっています。特に、消費電力が大きいAIデータセンターでは、冷却の優劣が演算処理性能を左右するほどです。そこで本講演では、空冷から液冷へと移行しているAIデータセンターにおける冷却技術や、液冷の中で主流となっている水冷技術の最新動向などを解説します。

 サーバーの液冷化に注目が集まっているのは、空冷よりもはるかに高い冷却能力が得られるからである。液体は空気よりも熱伝導率が高いため熱を奪いやすく、一度に運べる熱の量も多い。例えば水の熱伝導率は空気の約23倍、体積当たりの熱容量である容積比熱は約3560倍に及ぶ。

 液冷には直接液体冷却(Direct Liquid Cooling:DLC)と液浸冷却の2方式があり、足元ではDLCの検討例が多い。DLCは一般に、発熱部にコールドプレートを取り付け、冷却液を循環させる。

 2026年9月29~30日に東京国際フォーラムで開催する「日経クロステックNEXT 東京 2026」では、「AIデータセンターの未来――計算基盤のパフォーマンスを最大化する冷却技術の最前線」と題する講演を行う。熱設計の専門家であるサーマルデザインラボ代表取締役の国峯尚樹氏が登壇し、AIサーバーにおける冷却技術の最新動向を紹介する予定だ。加えて、デル・テクノロジーズが同社の最新AIインフラを通じて、DLCが果たす役割や水冷時代のデータセンターの考え方を解説する。