半導体業界に大きな変化が訪れようとしている。背景には、AI(人工知能)モデルを生成する学習に加えて、そのモデルを利用する推論の市場が急拡大していることがある。こうした「推論シフト」に伴い、GPU(画像処理半導体)に加えて、CPU(中央演算処理装置)やAI用ASIC(特定用途向け半導体)、メモリーの重要性が増していく。

 推論市場のけん引役が、自律的にタスクを処理するエージェント型AI(AIエージェント)である。その普及とともに、CPUの重要性が高まっている。AIエージェントは、複数のAIモデルやツールを駆使して一連のタスクをこなす。このとき、CPUはAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)の呼び出しやデータベースへのアクセス、セキュリティー認証といった周辺処理や、推論処理のオーケストレーション(全体制御)などを担う。こうした周辺処理は増加傾向にあり、遅延が生じないようにCPUの改良が強く求められている。

 CPUの需要増は、推論シフトで起きる変化の序章に過ぎない。推論需要の高まりとともに「電力」「メモリー」「製造能力」の不足が深刻化する見込みだ。これら3つの課題の克服を巡り、半導体業界で新たなプレーヤーが台頭し、勢力図に変化が生まれそうだ。

AI「推論シフト」の大波、半導体業界はどう変わる/AI Factory実現へ――DLCが導く次世代AIインフラ
2026/09/29 (火) 15:30 ~ 16:30

AI市場の軸足が「学習」から「推論」へシフトしています。これに伴い、「ポストNVIDIA」と呼べるような企業は台頭するのか、メモリー技術の主導権を誰が握るのか、AI半導体を巡る覇権の行方を解説します。

 こうした半導体業界の潮流に関して、2026年9月29~30日に東京国際フォーラムで開催する「日経クロステックNEXT 東京 2026」で日経クロステック記者の久保田龍之介が解説する予定だ。

推論シフトによって3つの不足が生じる(出所:日経クロステック)
推論シフトによって3つの不足が生じる(出所:日経クロステック)
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