「あ、米Tesla(テスラ)と一緒だ」。中国・比亜迪(BYD)の電気自動車(EV)「SEAL(シール)」を分解調査していたときのことだ。シールから取り出したECU(電子制御ユニット)を手に、自動車技術に詳しい関係者が声を上げた。
日経クロステック編集部と日経BP総合研究所は、最新の電動車両をいち早く入手して分解調査してきた。2023年9月27~28日に東京国際フォーラムで開催する「日経クロステックNEXT 東京 2023」では、BYDが2023年内に日本導入予定のシールを筆頭とする4車種の調査結果を公開。特徴的なECU(電子制御ユニット)や自動運転/先進運転支援システム(ADAS)向けセンサーを厳選して展示する。
BYDは世界進出の真っ最中で、日米欧の自動車メーカーと同じ土俵で戦い始めている。ドイツで開催された自動車展示会「IAA Mobility 2023」(一般公開日:2023年9月5~10日、ミュンヘン)では大きなブースを構え、来場者の注目を集めた。
BYDは内製部品にこだわる企業だが、ボディー系ECUを3つにまとめた点など車載電子プラットフォームの設計思想はテスラに近い。日経クロステックNEXT 東京 2023では比較できるように、テスラのEV「モデル3」の部品も展示する。ドイツVolkswagen(フォルクスワーゲン)のEV「ID.3」の部品も並べる予定で、ECUに対する考え方の違いが分かるはずだ。
このほか、トヨタ自動車の燃料電池車(FCV)「MIRAI(ミライ)」の基幹部品を用意した。高度運転支援技術「Advanced Drive(アドバンストドライブ)」向けの“巨大”ECUとテスラの統合ECU「HW3.0」を見比べてほしい。トヨタ車として初採用した前方監視用LiDARなども展示する。
世界のEV市場が拡大を続ける中、頭角を現しているのが中国BYDである。2022年の世界EV販売台数では米Tesla(テスラ)に続く2位となった。BYDは2023年末に日本で世界戦略EV(電気自動車)「SEAL」を発売する予定です。日経クロステックと日経BP総合研究所は、いち早く同車を入手・分解し、先進性や課題に関する記事を公開しました。会場では、SEALの基幹部品である、自動運転センサーや統合ECU(電子制御ユニット)を展示します。