「未来をつくるテクノロジー展 日経クロステックNEXT東京2026」(2026年9月29~30日開催)は、AI(人工知能)などの最新テクノロジーが引き起こす変化の「今」と「未来」を一度に見渡せるリアルイベントだ。前回に続き、お勧めの「周回案」を紹介する。具体的には、「製造・建設現場のAI活用」「AI時代のサイバー防衛」の2つだ。

テーマ3 製造・建設現場のAI活用
製造・建設現場へ広がるデジタル技術、iPhoneから3Dモデルを作成

 日経クロステックが対象としている、製造・建設現場にもAIは浸透しつつある。フィジカルAIが典型例だ。ロボット、XR、3D計測といった技術が、人手不足に悩む製造・建設の現場をどう変えるのかを会場で見通すことができる。

 日経クロステック/日経ものづくり記者の木暮早希による講演「50兆ドル市場『フィジカルAI』の現在地、人手不足の救世主となるか」は、米NVIDIA(エヌビディア)の世界モデル発表やソフトバンクグループによるロボット事業買収など、フィジカルAIを巡る覇権争いを整理し、ファナックや安川電機など日本企業の動きを追うものだ。

50兆ドル市場「フィジカルAI」の現在地、人手不足の救世主となるか
2026/09/30 (水) 10:10 ~ 10:50

エヌビディアの世界モデル発表や、ソフトバンクグループのABBロボット事業買収など、フィジカルAIの覇権争いが激化しています。現場の自動化は事前に組まれた「プログラム」から自律的な「状況判断」へとシフトし、ファナックや安川電機などの日本企業もオープン化や協業を進めています。50兆ドルと言われる巨大新市場を日本はどう生き抜くのか。現場のリアルを解説します。

 展示でもロボット関連の企画を多く取りそろえた。主催者企画として人型ロボットの分解展示や、ミネベアミツミによる精密ロボットハンドの動体展示を実施する。ロボットハンドはモーションキャプチャーと連動。来場者の手の動きをカメラで撮影し、ほぼリアルタイムでその指の形にロボットハンドが変形する様子を確認したい。

 建設現場については、日経コンストラクション編集長の真鍋政彦と日経アーキテクチュア編集長木村駿による「公開生討論! 建築・土木の新テクノロジー予測」で全体像を解説する。AIやロボット、BIM/CIM、デジタルツインなど建設業界に欠かせない技術を、2人の専門誌編集長が語り合う。

公開生討論! 建築・土木の新テクノロジー予測
2026/09/29 (火) 10:40 ~ 11:20

生産性が低く、DXで最も伸びしろが大きいと言われる建設業界。人手不足や物価高騰、老朽化、災害多発、気候変動など様々な問題に対峙しながら、今後生産性を上げるためにどのような技術が求められるのか。AIやロボット、BIM/CIM、デジタルツイン、センサー、シミュレーションなど、建築・土木に欠かせないこれからの新テクノロジーを、2人の建設専門誌の編集長が「公開生討論」で予測する。

 建設分野での展示では、測量の技術進歩を実感できる。スマートフォンに装着するだけでセンチメートル級の測位と3D点群スキャンができるレフィクシアの高精度GPS(全地球測位システム)測量機「LRTK」、iPhone・iPadのLiDARセンサーによって現場の状況を約10秒で3Dモデル化するnatの「Scanat」などを試してもらいたい。実用化が進みつつある「建設3Dプリンター」の実物も展示する。実際の造形物を見て、触って確かめられる。

テーマ4 AI時代のサイバー防衛
社名などからセキュリティーリスクを診断、ランサム対策の第一歩に

 AIの普及とともに、サイバー攻撃や情報漏洩のリスクも姿を変えつつある。会場では、ランサムウエア対策やセキュリティー運用、AIエージェント自体のガバナンスまで、企業が備えるべき防衛策を一覧できる。

 サイバー攻撃の最新動向を押さえたいのであれば、日経クロステック編集委員の勝村幸博による講演「『今日も誰かが狙われる』ライブ 知っておくべきランサムウエア攻撃の真実」の聴講を勧める。国内大手企業が相次いで被害に遭ったランサムウエア攻撃の最新トレンドと対策を解説する。

「今日も誰かが狙われる」ライブ 知っておくべきランサムウエア攻撃の真実
2026/09/30 (水) 11:20 ~ 12:00

世界中で相次ぐランサムウエア攻撃。被害に遭うと企業の事業継続が脅かされます。2025年は国内でも大手企業が相次いで被害に遭いました。被害に遭わないための第一歩は、ランサムウエア攻撃を正しく理解することです。近年、そのトレンドは大きく変化しています。本講演では、被害の最新状況や事例、攻撃の手口、対応方法や効果的な対策など、知っておくべきランサムウエア攻撃の真実を解説します。

 自社のリスクレベルを知りたい企業にはGMOサイバーセキュリティ byイエラエの「ネットde診断 ASM」の展示を見てもらいたい。国内最大級のホワイトハッカー集団の知見を基にした資産可視化サービスだ。社名やドメインを入力すると外部に公開されているIT資産のリスクを自動で洗い出す。ランサムウエア感染の多くがVPN経由といわれており、対策の第一歩として有効だろう。

 一風変わった催しとして、カードゲームでセキュリティー対策を学べる企画を用意した。ゲームの仕組みを応用してユーザーの行動に影響を及ぼす「ゲーミフィケーション」事業を手掛けるセガ エックスディー(セガXD)の協力で実施する。同社が企業向けに提供するセキュリティー学習のカードゲームを来場者に体験してもらう。攻撃側と防御側に分かれて対戦することで基本的な知識や考え方が身に付く。これからセキュリティーを本格的に学びたい方は、ぜひ参加していただきたい。