AI(人工知能)は単なる生産性向上のツールではなくなった。オフィスの仕事から企業システムの構築、そして製造や建設の現場まで、あらゆる場所で変化を引き起こしている。
「未来をつくるテクノロジー展 日経クロステックNEXT東京2026」(2026年9月29~30日開催)は、AIなどの最新テクノロジーが引き起こす変化の「今」と「未来」を一度に見渡せるリアルイベントだ。その内容は多岐にわたるため、日経クロステック編集部は来場者が迷わないようにお勧めの「周回案」をテーマ別に用意した。
テーマ1 AIが変える業務のあり方
経済効果4560兆円の「AI経済圏」のインパクト、「顧客役AI」も展示
日経クロステックNEXTでは、AIがもたらす社会的インパクトといったマクロの視点から、日々の業務を代替するAIエージェントなどミクロの視点まで多様な企画を用意している。
まず押さえてほしいのが、日経BP AI・データラボ所長の中田敦による講演「経済効果は4560兆円?、『AI経済圏』の深層」だ。米NVIDIA (エヌビディア)のJensen Huang(ジェンスン・ファン)CEO(最高経営責任者)によれば、「1ギガワットのAIデータセンター整備に8兆円規模の投資が必要だが、約48兆円の価値を生み出す」という。AIが社会や雇用にもたらすインパクトの大きさを解き明かす。日経クロステックの4人の編集長による「4編集長ライブ AIで激変する産業界」も大きな動向を把握する上では見逃せない。
2026/09/29 (火) 10:30 ~ 11:10
消費電力1ギガワット(GW)のAI(人工知能)データセンターを整備するには、GPU(画像処理半導体)を含めて月500億ドル(約8兆円)以上の投資が必要だが、そのリターンは3000億ドル(約48兆円)に達する――。米NVIDIA(エヌビディア)のJensen Huang(ジェンスン・ファン)CEO(最高経営責任者)はそう主張しています。そして米国のハイパースケーラー4社は2030年までに95GW分のAIデータセンターを整備する計画です。48兆円の95倍、4560兆円もの価値を、AIデータセンターはもたらすことができるのか。雇用にはどんな影響がありうるのか。AI経済圏が社会や経済に与えうるエフェクト(効果)を、日経BP AI・データラボの所長が深掘りします。
2026/09/30 (水) 10:00 ~ 10:40
生成AI(人工知能)はもはや当たり前の存在となり、その派生形であるAIエージェントやフィジカルAIの活用が進もうとしています。急激に変化するAIは、ITや半導体、自動車、建築、土木など各分野にどのような変革をもたらすのか。日経クロステックの編集長が今後を展望します。
一方、実業務への適用はどうか。生成AIブームの初期は文章作成や要約が中心だった。ところが現在は、営業や契約審査、顧客対応、人材育成など、より業務に特化したAIが入り込み始めている。例えば、営業担当者向けには、キーエンス出身者が創業したNEXAの「ジシュトレAI」の展示がお勧めだ。顧客役を演じるAIで、営業ロールプレイングを実施する。AIが営業担当者の傾聴力や提案力を鍛えるのだ。
リセが展示する「LeCHECK」は契約書をレビューするAIだ。30人超の弁護士の知見を反映したAIが不利な条項や抜け漏れを検知し、代替案を提示する。利用企業の8割がレビュー時間の削減を実感しているという。
IT関連業務を担当している技術者は、ソフト開発にAIを活用しているだろう。ではトップエンジニアはどれだけAIを使いこなしているのか。その答えを提供するべく、2日目の最終講演では「トップエンジニアの実演で知る! AI駆動開発の威力」を実施する。AI駆動開発コンソーシアムの協力を得て、2人のシステムエンジニアが登壇。その場で出たお題に対し、即興でWebアプリケーションを開発する。実力者が現在のソフト開発用AIを使うと、限られた時間でどれだけのアプリを作れるかを実感できるだろう。
2026/09/30 (水) 15:00 ~ 17:00
ソフトウエア開発の分野では、AI活用が急速に広まっています。ではトップエンジニアはどれだけAIを使いこなしているのでしょうか。その答えを提供するべく、トップエンジニア2人によるAI駆動開発の実演セミナーを開催します。AI駆動開発コンソーシアムとAI駆動開発勉強会の協力を得て、2人のエンジニアが登壇。当日提示されたお題に対し、即興でWebアプリケーションを開発します。限られた時間でどれだけのアプリを作れるかを実感できるでしょう。
テーマ2 AIを支えるIT基盤
システム開発の全工程をAIで自動化、テストツールは「自己修復型」に
AI活用を下支えするのが、IT基盤だ。ハードウエアのみならず、AI駆動開発やITモダナイゼーション、データ連携などの基盤製品を通じて、AI時代に求められる企業システムの姿が見えてくる。
特に、AI駆動開発に関連した製品の展示は目白押しだ。ラキールの「LaKeel AI Platform」は、要件定義から開発・運用までをAIエージェントが自律的に支援する国産プラットフォームで、システムの開発・運用工数を最大7割削減できるとする。要件定義の段階で、AI自身が足りない情報を人間にヒアリングする点がユニークだ。
システム開発にはソフトウエアテストが不可欠。テスト工程でもAI活用は進んでいる。MagicPodが展示するのは「自己修復」型のテスト自動化ツールである。アプリケーションのUI(ユーザー・インターフェース)を変更すると、AIが自動的に検知してテストの内容も変更する。
AIを支えるIT基盤のマネジメントについては、日経クロステックシニアエディターの森山徹による講演「ITモダナイズの戦略的アプローチ」が役立つだろう。富士通と日立製作所のメインフレーム保守終了が近づく2035年前後を見据え、生成AIを活用しながらレガシーシステムを刷新する道筋を解説する。日経コンピュータの木村岳史は日経クロステックの名物連載を基に、「極言暴論ライブ AIの大流行で日本企業の『DX』が廃れた謎に迫る」と題して講演する。会場でしか聞けない話が飛び出すのは必至。暴論を生で堪能したい。
2026/09/30 (水) 12:30 ~ 12:55
企業でIT活用が進むなか、ITモダナイズが課題として顕在化してきた。肥大で複雑なラスボスともいえるレガシーシステムは企業のDX(デジタル変革)を阻む要因の一つ。富士通と日立製作所のメインフレームの保守サポートが終了する2035年前後を見据え、生成AIを活用しながらITモダナイズを完遂するための「戦略的アプローチ」を解説します。
2026/09/30 (水) 12:40 ~ 13:20
多くの日本企業が取り組んでいたはずのDX(デジタルトランスフォーメーション)の機運が急速にしぼんでしまった。理由は単純で生成AI(人工知能)の大流行だ。もちろん、AIエージェントなど生成AIも活用したDX、つまりAX(AIトランスフォーメーション)に取り組むのなら問題はない。ところが「DXブームはもう終わり。これからはAIだ」などと暴言を吐く経営者もいる始末。なぜ、こんな事態になったのかを分析し、日本企業の行く末を「暴論」する。
日本HPやレノボ・エンタープライズ・ソリューションズはAI時代に求められるサーバーを出展する。水冷技術などを活用してAI処理による発熱や電力消費を抑える工夫を確認できる。


















