「ChatGPT」をはじめとする生成AI(人工知能)の影響を最も強く受ける業界、それがデジタル広告業界だ。キャッチコピーの文言からバナー広告の画像、果ては実写と見まがう人物モデル画像まで、既に生成AIはデジタル広告の素材づくりにフル活用されている。人手では不可能な大量生産を可能にする一方で、検索連動広告の地盤沈下など危機にもさらされる。

日経クロステックの玉置亮太副編集長
日経クロステックの玉置亮太副編集長
(写真:日経BP)
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 既にChatGPTはデジタル広告の業界構造をつくり替えつつある。電通グループやサイバーエージェントといったデジタル広告の大手各社は、ChatGPTを生かして開発したAIシステムをバナー広告の制作工程に導入。広告制作の生産性向上に成果を上げている。広告制作に携わる人員構成の見直しや、顧客企業から受け取る報酬の体系にメスを入れる動きも始まった。

 画像生成AIもデジタル広告業界を揺さぶる。進化が著しい画像生成AIで写真級にリアルな画像を手軽に量産できるようになれば、写真や映像といったクリエーターや関連事業者が築き上げてきた業界構造が破壊されるのではないか――。当事者は、画像生成AIの破壊力をどう受け入れるべきか葛藤している。

 生成AIがデジタル広告業界にもたらすインパクトは、他の業界にとっても無縁ではない。デジタル技術を生かした生産性向上や新事業創出といった光と、引き換えに生まれる既存ビジネスの破壊という影にどう向き合うか。全ての業界がいま、この課題を突きつけられている。生成AIがもたらす破壊と創造にどう向き合うか。2023年9月27~28日に東京国際フォーラムで開催する「日経クロステックNEXT 東京 2023」では「試練のデジタル広告、生成AIがもたらす破壊と創造」と題し、デジタル広告業界の試行錯誤に迫る。

試練のデジタル広告、生成AIがもたらす破壊と創造
2023/09/28 (木) 16:30 ~ 17:10

 ChatGPTをはじめとする生成AIの影響を最も強く受ける業界がデジタル広告業界だ。キャッチコピーの文言からバナー広告の画像、果ては実写と見まがう人物モデル画像まで。生成AIがもたらす破壊と創造にどう向き合うか。いち早く試練に直面するデジタル広告業界の試行錯誤に迫る。