パーソナルデータの活用は企業にとって悩ましい問題だ。よりパーソナライズした快適なサービスを届けるには、こうしたデータの取得が欠かせない。しかし、ユーザーから「プライバシーへの配慮がない」とみなされてはサービスを使ってもらえない。下手をすれば企業の信頼を損なう可能性すらある。

真野恵里菜氏(右)とこゆるぎ総合研究所の鈴木良介コンサルタント/代表取締役
真野恵里菜氏(右)とこゆるぎ総合研究所の鈴木良介コンサルタント/代表取締役
写真:こゆるぎ総合研究所(左)
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 「ユーザーから同意を取っているから何も問題ない」という考えも禁物だ。重要なのはユーザーがどう感じるか。たとえ法規制を順守していても、「説明が不親切」「何だか気持ち悪い」とユーザーに思われてしまうケースもある。パーソナルデータの活用を巡る「気が利く」と「気持ち悪い」の境界線をしっかりと見極めることが今後、ますます求められるだろう。

 2023年9月27~28日に東京国際フォーラムで開催する「日経クロステックNEXT 東京 2023」では、AI(人工知能)やIoT(インターネット・オブ・シングズ)の専門家でコンサルタントの鈴木良介氏と女優の真野恵里菜さんが登壇。パーソナルデータの活用とプライバシーの問題を考察する。

「名ばかり同意」「名ばかり匿名化」が会社をつぶす 〜明日の話題に使えるIT小話プライバシ篇
2023/09/28 (木) 14:55 ~ 15:55

 米ホワイトハウスが「民主主義を支える技術」と呼ぶ技術があります。プライバシ強化技術(PETs)です。「名ばかり匿名化」を排除し、パーソナルデータ活用を進めるため、これらの技術への注目が高まっています。また、「名ばかり同意取得」に対する風当たりもますます強くなります。その「同意する」に、顧客は本当に「納得」しているのでしょうか。顧客に「気持ち悪い」「騙された」と思われることは避けなければなりません。パーソナルデータの活用に関わる「気が利く」と「気持ち悪い」の境界不明瞭問題をどのように解決するのか、女優の真野恵里菜さんと一緒に考えます。