「我が国のデジタル競争力は他国の後塵(こうじん)を拝しており、社会全体の生産性や創造性を高めていく観点からもデジタル人材育成の強化は喫緊の課題です。その一方で実体験の格差やデジタル化の負の側面を指摘する声もあります。『デジタルかリアル』か、『デジタルか紙か』といった二項対立に陥らず、『デジタルの力でリアルな学びを支える』との基本的な考えに立ち……」(文部科学省「初等中等教育における教育課程の基準等の在り方について〔諮問〕」より抜粋)

 まさに今、学校の教育内容などを定める学習指導要領の改訂に向けた議論が進んでいる。文部科学省は2024年12月25日に中央教育審議会(中教審)に改訂の検討を諮問した。冒頭の抜粋は諮問理由の一部だ。「デジタル人材育成の強化」は企業のみならず、国を挙げての課題だと分かる。

 ここで注意すべきなのは、これまでも学校教育において、デジタル人材育成をしてきたという点だ。「強化」とある通り、既に様々な取り組みが学校の現場で行われていることを前提としている。GIGAスクール構想によるITインフラの整備も相まって、今どきの学校現場では、現在企業で活躍されている方が経験したことのないデジタル活用の世界が広がっている。

 そうした現場には、(もちろんビジネスという観点もなきにしもあらずだが)将来の人材のために多くのIT企業が関わっている。学校によっては企業以上に先進的なIT環境を整えており、DX(デジタル変革)に資するような、変化を前提としたマインドを身に付ける取り組みも見られる。デジタル人材育成の「強化」に向けて、企業が関われることはもっとあるはずだ。

 DX人材育成ともいえる学校教育現場におけるIT教育の事例、企業がデジタル人材育成に協力している事例を日経クロステック副編集長の大谷晃司が「日経クロステックNEXT 関西 2025」で紹介する。同イベントは2025年6月5~6日にグランフロント大阪で開催する。

DXにGX、企業の要望に応えられるか、今どきのIT教育
2025/06/06(金) 10:00~10:30

企業に求められるIT人材はDXの進展、GXの要望などとともにより高度になってきています。そうして人材のベースを育てるIT教育もここ数年で急速に変化しています。今、どのようなIT教育が行われ、そしてどのような人材を見据えて教育がされているのか。今どき、そして先進のIT教育について解説します。