『日経テクノロジー展望2024 世界を変える100の技術』は日経BPの専門誌編集長・ラボ所長が有望技術100件を厳選し、専門誌記者らの取材を基に分かりやすく解説した一冊だ。「日経クロステックNEXT 東京 2024」(2024年10月10~11日、東京国際フォーラム)では同書と連動した講演を行い、専門誌記者らがキーワードに関する最新動向を解説する。そのキーワードの1つがグリーンコンクリートである。

 グリーンコンクリートとは、製造の際に二酸化炭素(CO2)を吸収、固定できるコンクリートのこと。低炭素・脱炭素コンクリートともいう。開発の方向性として、セメントの一部または全部を、産業副産物である高炉スラグやフライアッシュに置換する、骨材や粉体にCO2を固定して混入する、CO2と反応する材料を配合してコンクリート製造時にCO2を吸収しCaCO3として固定する、などがある。2050年カーボンニュートラルの達成に向けて、技術開発だけでなく市場形成に向けた取り組みも進んでいる。

 日本コンクリート工学会(JCI)は2024年に脱炭素コンクリートのJIS(日本産業規格)化を進め、活用拡大の土台を整える。一方、環境省はコンクリート内部などに固定したCO2を、国内のCO2総排出量から差し引くCO2回収・有効利用(CCU)の仕組みの導入について議論を本格化。24年度に関連する政省令を改定する見込みだ。

 こうした取り組みで、CO2排出権に値段を付けて取引する「カーボンクレジット」などのエコシステムに脱炭素コンクリートを組み込みやすくなる。活用のインセンティブにつながり、普及を後押ししそうだ。

 大手建設会社は脱炭素コンクリートの利用実績を積み上げ始めている。鹿島は23年5月、「CO2-SUICOM(スイコム)」を埋設型枠として高速道路の橋脚工事に初適用した。大成建設は同年8月、「T-eConcrete/Carbon-Recycle」を同社施設内の人道橋の基礎に用いたと発表。清水建設や大林組も、自社で開発した脱炭素コンクリートを実工事で利用した。

 日経クロステックNEXT 東京 2024の講演「【日経テクノロジー展望2025 世界を変える100の技術】地球沸騰化で注目の脱炭素建材、グリーンコンクリートと放射冷却素材を中心に解説」では、グリーンコンクリートや放射冷却素材などの脱炭素建材を30分でコンパクトに説明する。

【日経テクノロジー展望2025 世界を変える100の技術】地球沸騰化で注目の脱炭素建材、グリーンコンクリートと放射冷却素材を中心に解説
2024/10/11(金)12:40~13:10

「地球沸騰化」が叫ばれる中、建設分野でも省エネや省CO2といった脱炭素に貢献する建材への注目が高まっている。この講演では、CO2を吸収または固定するグリーンコンクリートや、張るだけで太陽光を反射して室温の上昇を抑える放射冷却素材など、脱炭素に貢献する建材の開発動向を解説する。