『日経テクノロジー展望2024 世界を変える100の技術』は日経BPの専門誌編集長・ラボ所長が有望技術100件を厳選し、専門誌記者らの取材を基に分かりやすく解説した一冊だ。「日経クロステックNEXT 東京 2024」(2024年10月10~11日、東京国際フォーラム)では同書と連動した講演を行い、専門誌記者らがキーワードに関する最新動向を解説する。そのテーマの1つ、CBDC(Central Bank Digital Currency、中央銀行デジタル通貨)を取り上げる。

 CBDCは中央銀行が発行し決済に使えるデジタル通貨のこと。その国の法定通貨建てで、中央銀行の債務として電子データ方式で発行する。日本円や米ドルなど各国で使われる法定通貨と1対1で連動している。暗号資産(仮想通貨)のように価値が大きく変動せず、相対的に安定している。

 スマートフォン決済の「PayPay」や交通系ICカードの「Suica」といった民間企業が発行する電子マネーは、運営会社の限られた経済圏でしか使用できない。販売者は銀行口座を介して顧客が支払ったカネを受け取るため、決済から受け取りまでに時間がかかる。

 一方、CBDCは紙幣や硬貨と同様、どこの店でも使えて誰に対しても送金できる。決済から受け取りまでのタイムラグもない。CBDCには2つのタイプがある。1つは個人や企業などの幅広い主体による利用が想定される「一般利用型CBDC」である。もう1つは金融機関間の資金移動を目的とする「ホールセール型CBDC」だ。銀行間決済には中央銀行に対する金融機関の当座預金を使うことが多いが、ホールセール型CBDCもこれに近い用途を想定している。ブロックチェーン(分散型台帳)技術などの応用に期待がかかる。

 2019年、米フェイスブック(現メタ)が決済に使える国際的なデジタル通貨「Libra(現在はDiemに改称)」の構想を掲げてから、CBDCを取り巻く各国の動きが加速した。日本銀行は2021年4月から実証実験を始めている。2段階の概念実証を経て2023年4月からは、実験用のシステムを構築し、実用化を見据えた「パイロット実験」を始めた。

 日経クロステックNEXT 東京 2024の講演「【日経テクノロジー展望2025 世界を変える100の技術】日経FinTechが解説するCBDCとBaaSの最新動向」では、CBDCとBaaS(バンキング・アズ・ア・サービス)の最新動向について紹介する予定だ。

【日経テクノロジー展望2025 世界を変える100の技術】日経FinTechが解説するCBDCとBaaSの最新動向
2024/10/10 (木) 11:00~11:30

金融業界にもデジタルの波が押し寄せている。注目の動きはいくつもあるが、本セミナーではCBDC(中央銀行デジタル通貨)とBaaS(バンキング・アズ・ア・サービス)にフォーカスする。日経FinTechでCBDCに精通する森側真一記者とBaaSに詳しい井原敏宏記者がそれぞれの最新動向を解説する。