『日経テクノロジー展望2024 世界を変える100の技術』は日経BPの専門誌編集長・ラボ所長が有望技術100件を厳選し、専門誌記者らの取材を基に分かりやすく解説した一冊だ。「日経クロステックNEXT 東京 2024」(2024年10月10~11日、東京国際フォーラム)では同書と連動した講演を行い、専門誌記者らがキーワードに関する最新動向を解説する。そのテーマの1つがマテリアルズ・インフォマティクス(MI)である。
材料開発に機械学習やAI(人工知能)を駆使する手法をマテリアルズ・インフォマティクス(MI)という。研究者の経験や洞察によって開発を進める従来の手法に比べて開発期間を大幅に短縮できる。
特に動きが活発なのが電池の素材開発の分野である。全固体電池の固体電解質材料の開発では、機械学習やAIを駆使するMIで、開発期間を大幅に短縮する動きが目立つ。ハライド系と呼ばれる次世代固体電解質の分野では、米Microsoft(マイクロソフト)が自社のクラウドを武器に、米国の研究所と共同で研究開発に参戦してきた。パナソニックなどの電池メーカー、トヨタ自動車などの自動車メーカーも参戦し、MIによる開発競争を繰り広げている。
ハライド系の基本的な組成は、一見単純そうに見えるが、性能を高めるには、用いる元素が5〜6種類にもなる上に、その組成比は小数点以下2〜3ケタと非常に細かくなることがある。さらに、たとえ組成が同じでも結晶構造が異なることもある。こうなると調べるべき材料は天文学的な数になり、人間がすべてを実験できる水準をはるかに超えてしまう。ここでMIを用いれば、探索範囲を広げながらも、それまでよりはるかに短時間で有望な材料を絞り込める。開発時間を約500分の1に短縮した例も出てきたという。
日経クロステックNEXT 東京 2024の講演「【日経テクノロジー展望2025 世界を変える100の技術】AIシミュレーションで開発を革新」では、MIの最新動向を紹介する予定だ。
2024/10/10 (木) 14:30 ~ 15:00
素材、材料の開発やものづくりの現場では、機械学習/人工知能(AI)は既に必須。AIベースのシミュレーションでは推論時の演算リソースを従来比で劇的に減らせる。材料開発(MI、マテリアル・インフォマティクス)では、開発時間を約500分の1にした例も出てきた。つまり10年が1週間になった。
















