AI(人工知能)が自律的に業務を遂行するAIエージェントの導入が、日本企業でも進んでいる。しかし、AI先進国の米国では「AIエージェントを開発するな」との主張も盛んになってきた。
「AIエージェントを開発するな」との主張をしている1社が「Claude」の開発元である米Anthropic(アンソロピック)である。同社のエンジニアは2025年11月に米ニューヨークで開催されたイベントで「エージェントは開発するな、代わりにスキルを開発せよ(Don't Build Agents, Build Skills Instead)」と題する講演を行った。
アンソロピックは「Agent Skills」という仕組みを生み出した。これは汎用のコーディングエージェントである「Claude Code」やその派生版でオフィス業務に対応した「Claude Cowork」に対して、専門業務を遂行できるスキル(能力)を追加するものだ。
Agent Skillsの実体は、マークアップ形式で記述された業務に関する専門知識と、その業務を遂行するのに必要なツール(プログラム)である。ユーザーはスキルを指定し、業務のゴールをプロンプト(指示文)の形で与えるだけで、Claude CodeやClaude Coworkに専門業務を処理させることができる。
それまでのAIエージェントでは、「Dify」などのツールを使って特定の業務に対応したワークフローを構築するのが一般的だった。個別の業務ごとにAIエージェントを開発するのではなく、汎用エージェントとスキルの組み合わせを利用すべきであるというのが、アンソロピックの主張だ。
もちろんアンソロピックと正反対の主張もある。AIエージェントはまだ黎明(れいめい)期にあり、確固たる「正解」が存在しないというわけだ。AIエージェントを活用したいユーザー企業は、最新の状況に目を配り、必要に応じて方針を柔軟に変更する必要がありそうだ。
2026年6月11~12日に大阪市で開催する「未来をつくるテクノロジー展 日経クロステックNEXT 関西2026」では、日経BPの中田敦AI・データラボ所長が、こうしたAIエージェント進化の最新動向を解説する。「AIエージェントは雇用を奪うのか」といったテーマについても考察する予定だ。
2026/06/11 (木) 10:00 ~ 10:40
AI(人工知能)エージェントが、企業活動や産業を一変させようとしています。転換点となったのは「Claude Code」や「Claude Cowork」、「Copilot Cowork」に代表される「完全自律型エージェント」の台頭です。人間が難しいワークフロー(手順)を定義しなくても、「ゴール」さえ与えれば業務を遂行してくれる完全自律型エージェントが、ソフトウエア開発を一変し、いまホワイトカラー労働の全領域を変えようとしています。その最新事情を日経BP AI・データラボ所長が徹底解説します。

















