AI(人工知能)の急速な進化は、業務の大きな変革をもたらす一方で、そこへの監視やガバナンスの強化を一気に迫っている。米国では、こうしたAIガバナンスが機能しているかについて、株主総会での株主提案が提出される動きまで出ている。
2024年末、米Microsoft(マイクロソフト)はAIに関するデータ調達と利用についての「年次報告書」を株主提案で要求された。米Netflix(ネットフリックス)はAIの利用や監督、倫理ガイドラインを求められた。2025年5月には、投資会社のBerkshire Hathaway(バークシャー・ハサウェイ)でもAIシステムの開発や導入のリスクへの対処が要求された。いずれも否決されており、企業の対応に直接影響を与えるには至っていない。とはいえ日本でも、2026年の株主総会に向けて類似の動きがあっても不思議ではない。
では企業は、どう対応しておけばいいのか──。1つの参考にしたいのが、「広島AIプロセス(HAIP)」というAIの開発・利用に関するルールを形成するグローバルな枠組みだ。この国際的な枠組みを使って、自社のAIガバナンスの尺度にしながら強化する動きが広がっている。
2023年のG7広島サミットで創設された広島AIプロセスをベースにした、AIの透明性を高める「報告枠組み」が2025年春から始まっている。リスク管理やインシデント(事故)管理など7セクション・39項目から成る「透明性レポート」と呼ばれるものを、OECD(経済協力開発機構)のサイトで公開する動きだ。既に米国からはマイクロソフトやGoogle(グーグル)、OpenAI(オープンAI)など、日本からはNTTやソフトバンクなど計20社がこの透明性レポートを公開した。OECDのサイトでだれでも閲覧可能だ。
2025年10月16~17日に東京国際フォーラムで開催する「日経クロステックNEXT 東京 2025」では、広島AIプロセスや透明性レポートに詳しい東京大学の国際高等研究所東京カレッジの江間有沙准教授に、対談で話を聞く。江間准教授はこのレポートを提出した12社にその狙いや課題などもインタビューしており、この対談を聞けば国際的な枠組みに沿ったAIガバナンス強化の具体的な手法が分かる。
2025/10/17 (金) 15:20 ~ 16:00
AIガバナンスに対して株主からの“圧力”が強まっている。米国の株主総会でマイクロソフトはAIデータの調達と利用に関する年次報告書を株主提案で要求され、ネットフリックスはAIの利用・監督と倫理ガイドラインを求められた。日本でも来年の株主総会に向けて動きがあっても不思議ではない。では企業は、AI関連の情報をどのように公開すればよいのか──。1つの参考にしたいのが「広島AIプロセス(HAIP)」というAIの開発・利用に関するルールを形成するグローバルな枠組みだ。OECD(経済協力開発機構)が事務局となり、2025年から信頼できるAIの実現に向けて透明性を促進するための「報告枠組み」が始まった。既に米国のマイクロソフトやグーグル、オープンAI、日本ではNTTやソフトバンクなど20社がこの枠組みで公開している。AIガバナンスに詳しい東京大学の江間准教授にこうした動きを対談形式で聞いていく。
















