「人間の創造性は再定義されつつある」――。米マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボで副所長を務める石井裕教授は、AI(人工知能)の飛躍的進化がもたらす影響をこのように表現する。これまで人間が行ってきた「探索・分析・翻訳・編集・発信」といった知的生産のプロセスはAIによって置き換えられ、AIは新たな知見を生み出し始めているという。

米マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボ副所長の石井裕教授
米マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボ副所長の石井裕教授
(写真:Junichi Otsuki)
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 独創性や創造性は、人間が持つ最も大きな価値の1つである。それをAIが代わりに担うようになったら、人間は何をなすべきか。この問いは、企業が取り組む事業変革においても、ビジネスパーソン1人ひとりの働き方改革においても同様に直面するものだ。企業の業務において人とAIの役割分担をどう定義し、AIを業務にどう組み込んでいくのかは、企業がビジネスを成長させていくために避けられない課題といえる。

 2025年10月16~17日に東京国際フォーラムで開催する「日経クロステックNEXT 東京 2025」のオープニングを飾る基調講演に石井教授が登壇し、AIの登場によって大きく変革した知的生産プロセスと、それによって変わる人間の「創造性」をテーマに語り尽くす。多くのビジネスパーソンにとって、AI時代を生き抜くために何をすべきかを考えるうえで、貴重な視点を得られるはずだ。

AI地殻変動と創造性の再定義
2025/10/16 (木) 10:00 ~ 10:40

 2010年代に入ってAIが量子的飛躍を遂げ、人間が長らくインターネットとコンピュータを駆使して行ってきた「探索・分析・翻訳・編集・発信」といった知的生産のプロセスは大きく様変わりしました。その多くがAIによって置き換えられ、さらに自律的なエージェントによって自動化されつつあります。AIは私たちを凌駕するスピードと徹底さで情報を処理し、新たな知見を生み出し始めています。
 この変化は、人類の存在理由の柱と考えられてきた「独創性・創造性」の意味を根底から揺さぶっています。本講演では、米国 マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボで30年にわたりヒューマン・コンピュータ・インタラクション(HCI)の研究と教育に携わってきた立場から、研究・教育、そして人間の創造性が今どのように再定義されつつあるのかを提示し、未来に向けた問いを皆さんと共に探ります。