量子力学が誕生して100年となる2025年は、様々な量子技術が注目されている。特に次世代技術と目される量子コンピューターは、世の中を変革する大きなポテンシャルを秘めている。現在、世界で様々な実機が構築され、化学や金融といった分野でアプリケーション開発が加速している。

 2025年6月5~6日にグランフロント大阪コングレコンベンションセンターで開催する「日経クロステックNEXT 関西 2025」では、大阪大学大学院基礎工学研究科教授の藤井啓祐氏が登壇し、現在開発が進んでいる純国産の量子コンピューターや、量子業界の研究開発の最前線を紹介する。

大阪大学大学院基礎工学研究科教授の藤井啓祐氏
大阪大学大学院基礎工学研究科教授の藤井啓祐氏
[画像のクリックで拡大表示]

 阪大は国内の様々なメーカーと連携して現在、構成部品が「純国産」の量子コンピューターを開発している。2025年8月に阪大豊中キャンパス内で稼働を始め、大阪・関西万博で公開する計画だ。量子計算を担う量子チップは理化学研究所、制御装置はキュエル(東京都八王子市)、希釈冷凍機はアルバック・クライオ(神奈川県茅ケ崎市)がそれぞれ開発を担当した。

 今回の量子コンピューターはハードウエアだけではなく、クラウドサービスやプラットフォームを構成するソフトウエアも国内メーカーが開発した。阪大の量子情報・量子生命研究センター(QIQB)や富士通などが基本ソフトウエア群の開発に携わった。ユーザーがプログラミングを手掛けるフロントエンド層からクラウド層、量子コンピューターやサーバーなどのバックエンド層、運用に至るまで幅広い領域を網羅している。

 本講演では、国内外の注目の取り組みについても紹介する。まず国内事例では、阪大と共同研究を進める富士通や量子スタートアップのQunaSys(キュナシス、東京・文京)との共同研究を取り上げる。足元では誤り耐性のある汎用型量子コンピューター(FTQC)の実現に欠かせない量子エラー訂正技術の開発が急速に進んでおり、米Google(グーグル)や米QuEra Computing(クエラ・コンピューティング)の取り組みを紹介する。

量子コンピュータ最前線:純国産量子コンピュータから世界の最先端トレンドまで
2025/06/06(金) 16:00~16:40

今年は量子力学の誕生100年を記念する国際量子科学技術年として量子力学のコアな現象を応用する量子技術の研究開発が注目を集めている。本講演では、その中核である次世代コンピュータ、量子コンピュータについて8月に稼働する純国産量子コンピュータや国内外の取り組みについて研究開発の最前線をご紹介する。