建設業界において、技術伝承は「永遠のテーマ」である。現場で施工管理を担う人材をいかにして一人前に育て上げるか。ベテランと若手をセットにして手取り足取り教育したり、マニュアルを整備したりと、各社は知恵を絞ってきた。もっとも近年、現場技術者の育成は、以前に増して困難となっているようだ。
「若手の指導を担うはずのミドル人材が少ない」「書類仕事が多すぎて現場に出る時間がない」「大型工事が増え、1人で小さな現場を切り盛りする経験を積ませにくい」。建設会社に取材をしていると、こうした声をよく聞くようになった。
もしかしたら生成AI(人工知能)は、技術伝承の救世主になるかもしれない。目下、大手ゼネコンなどが開発や導入を進めているのが、RAG(検索拡張生成)を活用したシステムだ。先人が社内に蓄積してきたマニュアルや技術文書などをデータベース化しておき、AIが参照できるようにして、専門性の高い質問にも正確に回答させる。
質問したいときに、嫌な顔一つせずに応じてくれる生成AIは、若手にとって頼もしい存在になるかもしれない。教える側の労力の軽減にもつながる。かつては「技術伝承に近道はない」といわれたものだが、生成AIを活用して技術伝承の「近道」を探すことが、これからの人材育成の課題になるかもしれない。
建設会社などは生成AIをどのように活用しているのか。2025年6月5~6日にグランフロント大阪で開催する「日経クロステックNEXT 関西 2025」では、日経アーキテクチュアの編集長が最近の動向を解説する。
2025/06/05(木) 13:00~13:30
建設業界でも大手企業を中心に、生成AIを業務に取り入れる動きが活発になってきた。社内に蓄積されてきた知見をAIで有効活用できるようになれば、技術伝承や人材育成の在り方に一石を投じる可能性がある。かつては「技術伝承に近道はない」が合言葉だったが、「技術伝承に近道はある」のかもしれない。
















