「“1000万台クラブ”のトヨタ自動車やドイツVolkswagen(フォルクスワーゲン)を飛び越える」。米Tesla(テスラ)が掲げる目標は壮大だ。2030年までに年間2000万台もの電気自動車(EV)を生産することを目指す。鍵を握るのが、EVの製造コストを半減できるという革新的な製造技術「Unboxed Process(アンボックストプロセス)」だ。

テスラのアンボックストプロセス
テスラのアンボックストプロセス
車両を大きく6つのブロックに分けて個別に造り、それらを最終段階で組み合わせる(出所:テスラ)
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 現在の自動車生産は、ボディー骨格という大きな“箱”に内装部品やパワートレーンなどの部品を順番に載せていく。約1世紀前にヘンリー・フォードが発明した「T型フォード」の大量生産方式を基本的に踏襲する。ドアを付けたり外したりする手間が発生するほか、組み立て工程のどこかに不具合が生じると、生産ライン全体が止まってしまうリスクがある。

 テスラのアンボックストプロセスは、その名の通り“箱”を用意しない。車両を大きく6つのブロックに分けて個別に造り、それらを最終段階で一気に組み合わせて完成させる。生産のリードタイムを短縮できるほか、生産ラインをコンパクトにできるため、投資金額を抑えながら短期間でのライン立ち上げが可能になる。これによって同社は現在主力の「モデルY」や「モデル3」に比べて価格を半分程度に抑えた次世代EV、通称「モデル2」を生産するとみられている。

 2023年9月27~28日に東京国際フォーラムで開催する「日経クロステックNEXT 東京 2023」では日経クロステック先端技術編集長の小川計介と、日経Automotive編集長の木村雅秀が世界のEVコスト競争の現状やテスラの次世代EV戦略、アンボックストプロセスの可能性と課題について徹底討論する。

脅威か手本か?テスラ発最新EV製造手法「Unboxed Process」の破壊力
2023/09/27(水)12:10 ~ 12:50

 テスラは2030年までにトヨタやフォルクスワーゲンの倍の規模となる年間2000万台もの電気自動車(EV)を製造すると宣言した。実現の鍵を握るのが、EVの製造コストを半減できるという新手法「Unboxed Process」である。ものづくり大国日本の脅威となり得るのか、独自の視点から議論する。