日本政府の半導体産業支援が加速している。例えば、2022年4月に熊本県で始まった台湾TSMC(台湾積体電路製造)の工場建設に約4000億円、2027年に2nm世代プロセスの最先端半導体量産を目指すRapidus(ラピダス、東京・千代田)に累計約3300億円を支援している。ラピダスについて、西村康稔経済産業大臣は「今後も必要に応じて支援する」ことを言明している。

日経エレクトロニクスの中道 理編集長(左)と日経クロステック/日経エレクトロニクスの久保田 龍之介記者
[画像のクリックで拡大表示]
日経エレクトロニクスの中道 理編集長(左)と日経クロステック/日経エレクトロニクスの久保田 龍之介記者
(出所:日経クロステック)

 1980年代、日本は半導体立国と言われ世界1位の生産量を誇ったが、グローバル競争に敗北し、かつての栄光は見る影もない。政府も半導体産業を復活させようとこれまでにも再三支援策を打ち出してきたが、ことごとく失敗してきた。そんな日本がなぜ、今半導体に力を入れるのか。

 その背後には、超大国となりつつある中国を軍事面で圧倒し続けたいという米国がいる。強い敵には、複数で当たるというのは、戦略上の基本だ。重要度を増すロボットやドローンなどの無人兵器、データ解析による索敵や戦略立案、ミサイル軌道計算、信号の解析などに欠かせない超高性能半導体は、勝敗を決するキーテクノロジーである。それを米国のみならず、日本、欧州で生産できるようにし、中国抜きで技術開発を進めていこうというわけだ。日本にとっても、世界で約75兆円(World Semiconductor Trade Statisticsの2023年予測)もあり、今後も成長が見込まれる半導体市場で輝きを取り戻せるのは願ってもない話だ。

 米国の支援があるからといって、果たして日本は、長年の後れを取り戻し、技術面でキャッチアップできるのか。そもそも、グローバル競争で勇猛果敢な勝負ができない日本の経営体質で復活できるのか。2023年9月27~28日に東京国際フォーラムで開催する「日経クロステックNEXT 東京 2023」では日経エレクトロニクス編集長の中道 理氏と、同誌記者で『半導体立国ニッポンの逆襲』の著者でもある、久保田龍之介氏が、日本の半導体産業の今後を語り尽くす。

未来展望、『半導体立国ニッポンの逆襲』著者と日経エレクトロニクス編集長が独自分析
2023/09/27 (水) 16:40 ~ 17:20

 去年11月に突然浮上した先端半導体製造会社、ラピダス設立をはじめ、日本の半導体復権への動きが活発化している。背景には、米国を中心とした同盟国と、中国との軍事・技術覇権を巡る戦いがある。なぜ、今さら日本が半導体製造に力を入れるのか。日本は勝ち残れるか。日経エレクトロニクス編集長と記者が語り尽くす。