コロナ禍を経てビジネス環境や働き方が大きく変化し、中堅・中小企業においてもIT活用がますます不可欠な時代となっている。そうした中で「受注から出荷まで」包括した業務改善のプロとしてIT化をサポートしているのがユーザックシステムだ。近年ではRPAを活用した自動化ソリューションにも注力している。

 ERPをはじめとする基幹システムは、その名のとおり企業経営のコアとなる業務の遂行を担っている。とはいえ基幹システムだけであらゆる業務が回るわけではない。

 例えば受発注業務を見てみよう。FAXやメール、Webなど取引先ごとに異なる手段を使っており、やり取りする伝票の書式もばらばらなのが実情だ。こうした取引先ごとにカスタマイズしたアドオンプログラムを開発するとなれば、多大な工数とコストを費やすのはいうまでもない。加えて基幹システムに重い負荷を与えてしまい、コア業務の処理に支障を来してしまう恐れもある。

 こうした課題を抱える中堅・中小企業のITの導入や活用を支援すべく、ERPを取り巻く様々なパッケージソフトによるソリューション群「名人シリーズ」を提供しているのがユーザックシステムである。常務取締役の小ノ島尚博氏は、「基幹システムではきめ細かく対応できない処理を用途ごとのパッケージソフトで吸収し、シームレスにデータを受け渡すのが名人シリーズ全体のコンセプトです」と話す。

 まず受発注ソリューションの領域では、FAX受注支援システム「FAX受注名人」やWeb受注・調達システム「i名人」のほか、流通BMS対応EDIシステム「EOS名人.NET」をはじめ、EDI(電子データ交換)に対応したラインアップを用意。「これまでISDN(INSネットディジタル通信モード)を利用してきたレガシーなEDIシステムからの移行の受け皿としても利用を拡大しています」と小ノ島氏は語る。

 また、物流・帳票ソリューションの領域でも、入出荷検品から送り状・荷札発行、伝票発行までカバーするパッケージソフトのラインアップを展開している。中でも指定伝票発行システム「伝発名人」は、発売以来30年以上にわたる歴史を重ねてきたユーザックシステムの代表的な製品で、累計出荷数は2万7000本以上に達している。

使いやすさを追求したRPAに注力

 そして近年、ユーザックシステムが注力しているのがRPAソリューションだ。

 その一つが「Autoジョブ名人」である。Webによる受注データのダウンロードの自動化からスタートし、18年間にわたり1100社を超える業務自動化の経験を重ね、安定性と使いやすさを追求し続けてきたデスクトップ型のRPAだ。

 また、取引先とのメールによる受発注や資料請求や問い合わせメール、社内関係者との定型的なメッセージのやり取りなど、様々なメール業務の自動化を行う「Autoメール名人」というRPAも提供している。

 「2022年1月に施行された改正電子帳簿保存法により、取引先とのWebやメールを通じてやり取りした受発注データの電子保存が義務付けられました。Autoメール名人とAutoジョブ名人を活用することで、これらの受発注データと文書管理システムとの連携を自動化することも可能となります」と小ノ島氏は語る。

 もっとも、IT専任者のいない中堅・中小企業にとって、RPAを導入してすぐにロボットを作成するのは困難で、使いこなせるようになるまでのハードルは高い。

 この点への対応として特筆しておきたいのが、オプションで提供している「カスタマーサクセスプラン」というサポートサービスだ。同社専属のプランナーが3カ月間にわたって顧客と伴走するもので、「お客様ごとの業務改善の成功プランを一緒に策定することから始まり、RPAシナリオ開発者の教育や、実際に改善を目指すいくつかの業務(モデル業務)の自動化まで徹底してサポートします」と小ノ島氏は訴求する。

 さらに同社が運用するマーケットプレイス「名人マーケット」を通じて公開されている標準化シナリオや自動化スクリプトを購入することで、取引先のWeb EDIから受注データをダウンロードする処理などを簡単かつ低コストでロボット化することができる。

製造業から金融機関まで広がる導入実績

 石川県金沢市に本社を置き金型設計や産業機器部品を手掛ける従業員数30人の製造業、有川製作所も社内の事務業務の効率化を目的としてAutoジョブ名人を導入し、目標としていた業務効率化を成し遂げている。

 この成功の背景にあったのもユーザックシステムのサポートだ。トライアル期間中、有川製作所はAutoジョブ名人のマニュアルおよびユーザックシステムのコミュニティである「名人+(Plus)」に掲載されているノウハウを見ながらスクリプト開発にあたった。これに対してユーザックシステムの担当者は、メールでの質問対応や開発したスクリプトのリモートでのレクチャーを実施。その結果、有川製作所はトライアルを開始してからわずか1カ月ほどの間に、合計10本以上のスクリプトを開発することができたのである。

 こうしてAutoジョブ名人を正式導入した有川製作所は、その後の半年ほどでEDIの受注入力業務のほぼすべてを自動化。少なく見積もっても1日あたり約1時間の工数削減を実現できたという。

 また、2021年に社名をジャパンネット銀行から変更したPayPay銀行でもモニタリングセンターにおいてAutoジョブ名人を導入。デビット取引のモニタリングおよび不正取引の停止オペレーションをはじめ、通知書の送付業務における対象者のデータ抽出、自動封函機への差し込み印刷指示などの事務作業など、多くの業務を自動化している。

 これによりPayPay銀行では、休日・夜間を問わず顧客の被害を未然に防止できるようになったほか、行員は煩雑な単純作業から解放され、人の判断が必要とされるより高度な業務に専念できるようになった。

RPAロボットの一元管理サービスを準備中

 今後に向けてユーザックシステムでは、名人シリーズのさらなる機能強化や周辺環境の整備を進めていく計画である。

 例えば、Autoジョブ名人に対して、「多くのお客様のご要望を受けて、社内の複数のパソコンで動作している自動化ロボットを一元管理するクラウドサービスも開発中です」と小ノ島氏は語る。

 前述したとおり、Autoジョブ名人は各PC上においてスタンドアロンで動作するデスクトップ型のRPAであり、ロボットの開発や実行を手軽に行えるのがメリットだが、一方で全社的なガバナンスを効かせた運用には若干の難点があった。この課題を解決する一元管理サービスの準備を進めているわけだ。

 「各担当者が会社の承認を受けずに勝手に作成した“野良ロボット”や、誰にも使われないまま放置されている“幽霊ロボット”を検知するほか、すべてのロボットの稼働情報を集約して実行スケジュールや資源の利用を管理したり、エラーの発生に対処したりできるようにすることを目指しています」と小ノ島氏は概要を示す。この一元管理サービスは、早ければ今年の夏にもリリースされる予定である。

 さらに受発注ソリューションについても、「改正電子帳簿保存法に対応し、Web EDIやメールEDIでやり取りした受発注データの電子保存先となるクラウドサービスの準備を進めています」と小ノ島氏。こちらのサービスについても同じく今年の夏ごろのリリースを目指しているという。

 コロナ禍の影響を受けてテレワークをはじめとする仕事の環境が激変する中、ユーザックシステムは従業員一人ひとりの生産性を高め、ビジネスの成功に寄与するITソリューションをますます拡充していこうとしている。

お問い合わせ

ユーザックシステム
URL https://www.usknet.com/

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