BPnet スキルアップコラム

私は、話し方に自信のない人のほうが、相手の心をつかむ自己紹介ができる、と考えています。

なぜでしょうか?

前回の連載でお話しましたが、話し方に自信のある人は、ついあれもこれも話したくなって、自己紹介ではなく、「演説」になる傾向があるからです。言いたいことをすべて話していたら、「おしゃべりな人だな」「何を言いたいのか分からない」と、

空気を読まない人と、とられます。

一方、話し方に自信のない人は、あれもこれも伝えたいという気持ちはあっても、容易にはできませんから、本当に伝えたいことだけを選び、自分の言葉で丁寧に伝えようとします。ひと言の重みが違うのです。そして、こうした態度から「この人は誠実そうだ」「信頼が置ける人だ」と、相手は好感を持つのです。

ひと言ですべる人の自己紹介

あるパーティーに参加した時のことです。

「私は一流企業のビジネスマンです。私と名刺を交換した方がいいですよ」
「私と知り合ったほうが得ですよ」

といった雰囲気を漂わせている人が、私に名刺を差し出しました。

「○○会社の販売部で部長をしております、こういう者です。」

○○会社の名前は、日本人ならば知らない人はいないでしょう。もちろん私も知っていますが、その会社がどんな業務をしているのかは、マスコミで見聞きする程度。詳しいことは分かりませんし、私には興味のない業界ですから、ピンとこないのです。ましてや、販売部長がどんな仕事をしているのかは、まったく知る由もありません。それ以上に、私が理解できなかったのは「こういう者」と、自分を称することです。

「名刺を読めば、分かるだろう?」
「ウチの会社を知らないなんて、おかしいのではありませんか?」

「こういう者」という響きの中に、そんな意味合いがあるようで、馴染めませんでした。

私は

「はじめまして、臼井由妃と申します。自社で開発した健康グッズを、通販会社やお客様に販売している会社を経営しています。また著作や講演、経営コンサルタントの仕事もさせていただいております。なんでも屋ですね(笑顔)。今日はお会いできて光栄です」

と、自己紹介をしました。

彼からは、何かしらのアクションがあるかと思ったのですが……。

「あなたには興味がない」
「私のこと(会社のこと)を聞いてくれよ」

と、いった感じなのです。

「だったら、どうして自分から名刺を差し出してきたのかしら?」

私には、どうしても納得がいきませんでした。

今まで彼は会社の看板をちらつかせれば、自己紹介になると思っていたのでしょう。彼のようなタイプは、会社の看板を外してしまうと、魅力がなくなってしまう。会社を辞めて独立した途端、誰からも相手にされない、自己紹介とは言えない自己紹介を正しいと思っている人ではないでしょうか? 「こういう者です」と、言った途端に場をしらけさせる「ひと言ですべる人」の典型です。

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